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認知・親子関係

認知

1 認知とは

「認知」とは,婚姻関係にない男女の間に生まれた子(婚姻が無効であった場合も含む),すなわち嫡出でない子について、その父が自分の子であると認め、法律上の親子関係を生じさせる行為です。母との関係は,原則として分娩の事実により当然に発生し,認知を必要としません。

2 民法779条以下に細かく規定されています。

『嫡出でない子(婚姻関係にない男女の間に生まれた子)は、その父又は母がこれを認知することができる。』
780条『認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。』
781条『認知は、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによってする。認知は、遺言によっても、することができる。』

3 認知届を提出することで,親と子の間に法律上の親子関係が結ばれ,それに基づき権利義務関係が発生します。

認知していなければ,血縁関係はありますが,法律上は「赤の他人」です。認知は,遺言によってもすることが出来ます。遺言した本人が亡くなっていても効力は遡りますので,相続人になれます。その場合の認知届は,遺言の執行者が届けることになります。また,遺言するときに胎児であっても,出生を条件に相続させることができるので,胎児を認知するとともに,その子に財産を与えることも出来ます。このようなことをするのは,自分が生きている間は,婚外子の存在を公にできない事情があるような場合です。

4 法的に親子となるので,養育費の支払い義務が生じます。また,子供の成人後,父親が生活に困っていれば,親の生活を扶助する義務も生じます。

婚外子(非嫡出子)の相続分は実子(嫡出子)の2分の1でしたが,最高裁の判決後法律が改正され平成25年9月5日からは実子と同じ相続分になりました。

5 「強制認知」

①父親が認知をしてくれない場合には,家庭裁判所における認知調停を行い,それでも父が認知をしてくれない場合には,裁判によって認知を求めることになります。
② 強制認知は,法律上認められる権利ですが,いろいろな実例があります。
私が公証人をしていた頃,「遺言者Aが50年くらい音信不通であったCが認知の訴訟をしてきたので遺言者がCのこの訴えは非情な行為であり,何も知らなかった妻や長男も傷つけていることにもAもは苦しんでいる。死後,Cが私の妻や長男に対する相続権の主張によって,長男の会社経営や家庭の運営に支障が出ることを恐れ,苦慮する。」として,Cの相続人廃除の遺言条項を入れた公正証書遺言を作成したこともあります。

親子関係

1 婚姻関係のある夫婦の間に生まれた子でも,実際には夫婦間の子供ではない場合があります。

2 民法上の規定

ただし、通常、婚姻している場合には、夫が子の父である蓋然性が極めて高いことから、民法(772条)は「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」と規定し,、774条で「772条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる」と規定しています。772条は子の父が誰かについての推定の規定であると同時に、嫡出性の推定の規定です。
しかし、実際には推定されも事実と異なる場合があります。このような場合、夫は自分と血縁関係にある実子であることを否認することが認められます。嫡出否認は家庭裁判所に訴えることによって実現します(ただし、まず調停を経る必要があります。)。
民法777条で「出訴期間は1年」と規定されています。そこで,夫が子の出生を知って1年以上も経った後では,「嫡出否認の訴え」を提起し父子関係を否認することはできません。

3 「嫡出否認の訴え」のほかに,「親子関係不存在確認の訴え」という訴訟があります。この「親子関係不存在確認の訴え」には,出訴期間の制限はありません。

しかし,「親子関係不存在確認の訴え」が認められるのは,裁判実務上,妻が妊娠した時期に夫が刑務所に在監中や失踪中,海外等の遠隔地に居住していたなど,夫婦が性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情がある場合に限られています。
そのため,そのような事情がない場合には「親子関係不存在確認の訴え」は認められず,「嫡出否認の訴え」の1年の出訴期間を過ぎると,法的に父子関係を争うことはできなくなります。最近では,DNA検査により,父と子に血縁関係がないことは科学的には明らかになります。しかしながら,最高裁判所は,DNA検査で血縁関係がないことが明らかな場合であっても,夫婦が性的関係を持つ機会がなかったことが明らかなどの例外的な場合を除いては,「親子関係不存在確認の訴え」により父子関係を争うことはできないとしました。

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