東京銀座の元裁判官高橋隆一弁護士による離婚・慰謝料相談

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コラム詳細

不倫相手に子どもができてしまった場合2020.02.22

1 不倫相手が妊娠した場合

不倫をする場合、それが配偶者に発覚しないように、なんらの痕跡を残さないようにすることが一般的です。しかし、性行為に伴っては当然、妊娠の可能性があり、実際に女性側が妊娠することがあります。

とくに、不貞相手女性が妊娠したり、出産したりした場合、そうでない場合と比較して、精神的苦痛の程度が高いとも考えられます。

そこで上記のような事情が生じた場合に、そうでない場合の不貞慰謝料請求と比較して、相違点があるかを検討していきます。

2 不倫された配偶者から不倫した配偶者に対する慰謝料請求

一般的に、不貞された配偶者は、不貞をした配偶者に対して不貞慰謝料請求をすることができます。

不貞相手女性が妊娠・出産した場合、そうでない場合と比較して、不倫をした側の配偶者としてはそれを否認することは難しくなるでしょう。

では、肉体関係はあることを前提として、妊娠・出産したか否かによって、慰謝料額は変わってくるのでしょうか。

これについては、たとえば、不倫をした側の配偶者が、配偶者と離婚して不倫相手女性と新たに家庭を築くことを企図して妊娠したような場合には、不貞行為の悪質性が高く、通常より慰謝料が高額になる可能性があります。

反対に、たとえば妊娠するつもりはまったくなく、きちんと避妊をしていたにもかかわらず妊娠してしまったような場合には、単に不貞行為(≒性行為)に伴う結果にすぎないという見方ができるので、慰謝料の金額が通常より高額になるという可能性は低くなるでしょう。

 

3 不倫された配偶者から不倫相手に対する慰謝料請求

(1)子どもを出産する行為に対して慰謝料請求できるか

不貞相手女性が、不倫した配偶者の子を妊娠・出産したことは、不貞行為と別個に不法行為を形成するのでしょうか。

これについては、裁判例の判断が分かれています。

不貞相手女性が妊娠・出産することは、不貞された配偶者やその子どもに多大な悪影響を与えるものであり、健全な家庭生活の育成に努むべき義務の違反に加担した行為であり、不法行為に該当すると判断した裁判例があります。

一方で、不貞した配偶者(男性)の子を堕胎、出産したことは、受胎調節が容易に可能な状況のもとにおいては、守操義務違反に加担する度合いが大きいと言わざるを得ないが、それらはいずれも不法行為責任の範囲・程度の大小にかかわる問題であって、別個独立の不法行為自体が生ずるものとみるとはできないと判断した裁判例もあります。

 

(2)子どもの認知請求をすることに対して慰謝料請求できるか

次に、不貞相手女性が、不貞した配偶者(男性)に対し、妊娠・出産した子どもの認知請求をすることは、不貞行為と別個に不法行為を形成するのでしょうか。

これについては、別個の不法行為の成立は否定されています。一旦子どもが出生した以上、父に対して認知を求めることはその子の権利であるから、不貞相手女性が子どもの親権者としてその子を代理して、不貞した配偶者(男性)に対して認知請求をした行為をなんら違法な行為をみることはできないと判断されました。

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