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離婚するベストのタイミングとは2020.01.30
【はじめに】
離婚するのにベストなタイミングはいつなのでしょうか。「もう離婚したほうがいいのかも…」と思いながらも、まだ離婚するかどうか決めきれない状況にあれば、修復の可能性も含めて、離婚のタイミングをはかるのはとても難しい問題かと思います。
そこで、離婚のタイミングをはかりかねているときに指針となるポイントについて解説します。
■離婚に最適なタイミングはない|状況に応じた柔軟な対応を
例えば、配偶者の金使いが悪ければ、今後の未来は想像しにくいのですぐに離婚してしまった方が良いかもしれませんが、まだ子供が小さい場合は一旦考え直してみてみ良いと言えます。しかし、そのタイミングは離婚をしたい理由などの状況や配偶者の置かれた立場、タイプなどによって異なるため一概にはいえません。
◆配偶者が不倫や浮気をしていた場合
もし配偶者が自分以外の異性と不倫(不貞行為)をしていたことが発覚した場合、慰謝料請求ができる可能性が高いので、まずは言い逃れができないほどの証拠を集めてから離婚を切り出した方がよいと言えます。
下世話なはなしではありますが、一度チャンスを与えても、再度不倫をした場合、反省の色が見えないとして、慰謝料の金額が増額できる可能性があります。
◆配偶者のDVがあった場合
夫の暴力やモラハラが原因の場合は、すぐに離婚を切り出し、とにかく別居の準備から行うことをおすすめします。一刻も早く夫の元を離れてお互いに冷静になってから切り出した方がうまくいくでしょう。
◆配偶者から悪意で遺棄されたとき
悪意の遺棄とは、夫婦が互いに支え合って生活する義務を怠った場合のことを指しています。悪意の遺棄を原因とする離婚は立証できる証拠が少ないため、慰謝料請求を見据えて離婚する場合は、不倫の時と同様証拠を集めてから離婚するのでも遅くはありません。
◆夫が退職する時
男性が退職する際は退職金の支払いがなされるケースも多いので、そのタイミングで離婚をするのも有効です。退職金も財産分与の対象ですので、切り出し方はそれぞれですが、「私はもう頑張ったからもう離婚したい」と素直に伝えることもできます。
◆婚姻を継続し難い重大な事由があった場合
典型的なのは夫のDVなどですが、法律上はどんな理由であっても離婚はできます。
我慢できない何かがあり、金銭面での請求もそれほど気にしないのであれば、一方的に離婚を切り出すこともできなくはありません。
◆死後離婚
死後離婚(しごりこん)とは、配偶者の死後に「姻族関係終了届」を提出することで、姻族(義理の両親や兄弟)との縁を一方的に切ることを言い、近年NHKなどのTVメディアや週刊現代といった雑誌で取り上げられることの多い行為になります。法律用語ではありませんが、姻族関係終了届をお住いの地域の市役所に提出することで完了し、費用も無料という比較的簡単にできる手続きです。
配偶者はすでに他界しているので、何の気兼ねもありませんが、夫の両親にしてみれば、息子が死んだと同時期に関係を切られるわけですから、「見捨てられた」「見限られた」と感じる可能性は高いです。
■離婚の切り出し方はどうする?
どんな状況であったとしても、離婚の話し合いは焦らずじっくりと時間をかけて行うのが望ましいと言えます。感情的に離婚の話を切り出しても相手にされない可能性もあります。上手に切り出して真剣に話し合いを行うためには、事前準備をしっかり行っておきましょう。
特に準備すべきは『証拠』『離婚後の貯金』『子供がいれば親権問題』です。離婚の専門家で、交渉が得意な弁護士に相談するという選択肢もありますから、自分が今後どのような計画で離婚していけば良いか迷ったら、気軽に相談していただくのがおすすめです。
